誰ガ為ノ世界(謎のプリンス)

□あとわずか
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校長室を出、校舎内を歩いていると、ストレンジは最も会いづらい相手と出会う事になった。
彼女−−ユイ・ヤマブキである。
ユイもこちらに気付いた様で、はたと立ち止まっていた。
不味いな、とストレンジは思った。
会ったのは神秘部での戦いの最中で、こちらの正体に気付いている。
今更避けて通るのも……。
ストレンジはため息を吐き、彼女に歩み寄り何気無そうに声を掛けた。
「ユイ」
「えっ、あっ……。ストレンジ先生」
声を掛けられた彼女は、ビクビクしながらこちらを見上げていた。
まぁ最後に会ったのが、あの状況だから無理もないが……。
「何をビクビクしてるんだ?」
「そんな、ビクビクなんて……」
「してるだろ。見れば分かるし見ててイライラするんだよ」
若干早口になりイラつくストレンジに、ユイはすみませんとつい謝ってしまう。
「先生、死喰い人に捕まっていたガビが無事助かったそうです」
「そうか」
「どうしてガビを攫ったんですか? 同じ騎士団仲間でしょう?」
「ヴォルデモートに命令されたからだよ。これ以上騎士団が余計なちょっかい出さないように、1人見せしめに攫えってな。
まぁ効果はなかった様だな。リヴァイ1人で、ニホンにある死喰い人の基地を制圧したんだからな」
まるでストレンジは、他人事の様に話していた。
つい昨日、リヴァイがニホンで囚われていたガビの救出に成功した。
ニホンに死喰い人の基地はあったが、大概がイギリスの方を拠点としていた為、あまり見張りはいなかったという。
リヴァイは任務を遂行した後一応、マホウトコロで働いているロックハートやピーターに伝えたらしい。
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