それは4月に雪が降るかの如く
□決別
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「初めまして。私は、由依の母の晴美と言います」
ユイの母である晴美は、シャーロックの向かいに座りそう名乗った。
ユイは、彼の隣に寄り添う様にして立っている。
ジョンとジャニーンは、少し離れた所から様子を見ている。
「で、その母親が僕に何の用だ?」
シャーロックの言葉には、どこかトゲトゲしさが覗いていた。
だが、晴美は屈する事なくにこやかに笑みをたたえながら言った。
「私は、ユイの母ですのよ。
愛しい娘が、書き置きもなく出て行くんですもの。
必死に捜してようやく見つけましたのよ」
「ユイ、どういう事か説明してくれるか?」
シャーロックの有無を言わせない言葉に、ユイは頷くしかなかった。