それは4月に雪が降るかの如く

□過去のキズ 3
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僕が出会った彼女の名前は、メアリー・スーザンという名前だった。


校庭に1人でいる僕を見つけては、ひっきりなしに声を掛けて来た。


「僕と一緒にいると変な噂が立つぞ」


ある日、そんな事を言ったのを僕は覚えている。


「そう? 別に変な噂が1つ2つ増えたって気にしないわ」


そうなんでもない様に笑った。


彼女は、誰に対しても親切で優しくて大学内ではかなりの人気者だった。


だから、僕から彼女に近付く事は決して無い。


「何故僕に構うんだ?」
「噂が気になったからよ。皆んなが言っている事が本当かなって」


それで? という僕の問い掛けに彼女はちょっと考えてから。


「何でもお見通しっていう噂は本当。でも、残酷で嫌がる様な言葉を吐くっていうのは嘘ね」


そうかと微かに僕は笑ったのを覚えている。


両親以外に本当の自分を見てくれているという、そんな安心感から来たものだったのかもしれない。
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