それは4月に雪が降るかの如く

□彼について
1ページ/2ページ

「ほら、ここが新しい部屋よ」
「ありがとうございます」


通されたのは、これから暮らす事になる部屋だった。


人1人が暮らせる程の、申し分ない広さだった。


「にしても、家具とか置いたままで良かったわ。
こんなに可愛らしい女の子が来るだなんて!」
「可愛らしいだなんて……」


ハドソンは、ユイをまるで孫であるかの様に接してくれていた。


前の家では……。


前の家を思い出して、暗くなっていたのだろう、ハドソンが気を利かせて大丈夫? と声を掛けてくれた。


「大丈夫です」
「そう? なんだか顔色が悪いけど」
「本当に大丈夫です。それより、あの、シャーロックに迷惑を掛けてしまって……」


迷惑? とハドソンが聞いた。


はいと、ユイは頷く。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ