それは4月に雪が降るかの如く
□君は
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「う……ん」
「目が覚めたか?」
由依は、自分が柔らかなベッドの上にいる事に今気付いた。
同時に、2人の人物が自分を覗き込んでいるのにも。
由依は身を起こして2人を見る。
何処かで見た事があるのだ。
だが、脳がまだ疲れているせいか処理に追いつけない。
「えっと……。貴方達は?」
「全く。それは、僕が聞きたいくらいなんだが……」
黒髪の男性がそうどこかうんざりしたように言った。
「まぁ、シャーロック。彼女はまだ疲れているんだよ」
もう1人の男性が彼にそう言っ……。
シャーロック?
そこで、由依は、ハッとした様に2人を見た。
「貴方達、もしかしてあの……。
シャーロックとジョンですか?」
「そうだが。僕達を知ってるのか?」
知ってるも何も! と由依は気圧された様に言葉を続けた。
「ワトソンさんのブログはいつも読んでます!
貴方の書くシャーロックの活躍が大好きで……。1度、ずっと貴方達に会いたいと、そう思っていたんです!」
半ば告白の様に、由依は言い切った。
2人は、そんな彼女を呆然と見ていたがやがてジョンが、場所を変えようかと指摘した。