自由の翼(死の秘宝

□綺礼とカレン
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「えっと、貴方魔法使い?」
「魔術師と言ってくれた方が嬉しいのだがね。
神父が魔術師など、かなり変わっているだろう」
そのおかげで、周りからは似非神父など言われているがねと彼は自嘲気味に笑う。
「神父って、皆んな魔術師なの?」
「私が携わっている教会が特殊なだけだ。その説は教会に帰ったら話そう。
ところで、君に名前は?」
ここでいつまでも話す訳にはいかないので、綺礼は教会に帰ってから説明する事に決めた。
名前を問われた少女は、
「無い。呼ばれていても、淫乱娘だとか歪な」
「分かった。君に名前が無い事は」
あのアリスがこの子に名前を付けたとしても、碌な事がなかった。
とすると、綺礼が決めねばなるまい。
綺礼はじっと少女を見つめる。
見た目が儚げで、触れれば壊れてしまいそうなくらい、可憐な姿……。
「君の名前は、カレンだ」
「カレン?」
「苗字は私のを……と、その前に私の名前をまだ言っていなかったな」
綺礼は今更ながらに、自身がまだ名前を言っていなかった事を思い出した。
「私の名前は、言峰綺礼。
日本の冬木市で教会で神父を務めている」

それが、カレンと綺礼の出会いだった。
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