自由の翼(死の秘宝

□夢子
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ユイがパトリックと共に村へと行っている間、夢子は闇の魔術に対する防衛術の授業に彼女がいないのに気付いた。
今はグリフィンドールとスリザリンの、合同授業である。
あいつ、もしかしてカロー兄妹が嫌だから授業に出てないの? と夢子は思ったが、直ぐにその考えは間違いだと気付く。
いやあいつの性格から考えて、それはないだろう。
何者にも屈しない奴なのだから。
「グリフィンドールに1人いない様だが?」
カロー兄妹の兄の方が口を開いた。
授業を始める前に、出席を取っていたのだ。
話を振られたグリフィンドール生が、ビクッと互いに顔を見合わせたのを見て、夢子は密かに笑った。
ああ、可哀想に……ユイがいないせいで、とんだトバッチリ受けてるじゃない。
「先生」
「何だ?」
「いないのは、ユイという生徒です。恐らく何処かでサボってるんでしょう」
夢子の指摘に、グリフィンドール生の一部が彼女を睨み付けてきた。
だが夢子は気にしなかった。


授業が終わり、夢子はそそくさと校長室へと向かう。
ユイがいない代わりに、グリフィンドール生の1人の女子生徒が、闇の魔術の実験台にされた。
それを見た夢子は、朝行ったユイとの対決に負けた事に溜飲が下がる想いがした。
夢子は「校長、いますか」と、弾んだ声で校長室のドアを開けた。
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