自由の翼(死の秘宝

□乱闘
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その晩ユイは、パトリックの部屋を訪ねた。
「パトリック、ちょっと相談があるんだけど……」
部屋を訪ねるとパトリックは、ベッドに腰掛けて本を読んでいた。
ユイの声を聞くとパトリックは本から顔を上げて、ニヤリと笑った。
「何だ、夜這いか?」
「違うから! 明日夢子となんか対決する事になったから、その相談に来たの!」
「そんなムキに否定する事もないだろ……。しかし何故そうなった?」
ユイはパトリックの隣に腰掛けて、事の顛末を説明する。
説明を受けたパトリックは「神、な……」と呟いた。
「いきなり神が地上に降りて、それを望んでるなんて突拍子もない話だと思うんですが、真実なんです」
「まぁ俺は信じるぞ。世の中、奇想天外なことばかりだからな。
特にこの魔法界は」
パトリックが信じてくれたのは、正直予想外だったが、彼女は話を推し進めることにした。
信じてくれるんだとか言って、パトリックがやっぱり信じないと手のひらを返されても困る。
「パトリック、貴方の能力の一部を私に一時的に分け与えることは出来ない?」
ユイの質問にパトリックは、どういう事だと首を傾げた。
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