炎のゴブレット

□第2話
1ページ/3ページ

その日のホグワーツは、大雨だった。
ユイは、ハリー達が来るのを先に大広間のテーブルに座って待っていた。
ハリー達が来たのを見て、ユイはこっちこっちと手を振った。
「雨の中お疲れ様!」
「全く酷い雨だよ。まぁ、ユイの笑顔が見れると思うと頑張って来れたけど」
ハリーがユイの向かいに座りながら言った。
ロンは、ユイの隣に。ハリーの隣には、ハーマイオニーが座った。
毎年の様に、新入生の組分けが終わった後、豪勢な食事が出た。
食事を進めながら、ハリー達からクィディッチ・ワールドカップについて色々と聞いた。
あの、闇の印についても……。


最後のデザートが消えた頃合いに、ダンブルドアが立ち上がった。
「さて! 全員良く食べ、良く飲んだ事じゃろう!
まず、残念なお知らせじゃが、今年は寮対抗クィディッチ試合は取りやめじゃ」
それを聞いた生徒達からえーっという残念な声が聞こえてきた。
「これは、10月に始まり、今学年の終わりまで続くイベントのためじゃ。
今年、ホグワーツで−−」
ちょうどこの時、耳をつんざく雷鳴と共に大広間の扉がバタンと開かれた。
長いステッキに寄りかかり、黒い旅行マントを纏っている男だった。
男はフードを脱ぎ、馬のたてがみの様な、長い暗灰色まだらの髪をぶるっと振るうと、教職員テーブルに向かって歩き出した。
歩く途中、正常でない目は、ぐるぐると忙しなく辺りを見回していた。
ダンブルドアに近付き、手を差し出して握手をした後席にドカッと座った。
「新しい闇の魔術に対する防衛術の教師−−ムーディ先生じゃ」
あまり拍手は起こらなかった。
紹介を受けたムーディは携帯用酒瓶を取り出して、グビッと飲み始めた。
「何を飲んでると思う?」
「カボチャジュースじゃなそうだね」
ロンとハリーがヒソヒソと話していた。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ