炎のゴブレット

□第0話
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そこは、スコットランドの森の奥深くにある、とある村の集落。
かつて人が住んでいたであろう木造小屋は火事にでもあったかの様に焼け落ちていた。
村の広場の中心にあたる広間に、1匹のドラゴンがいた。
赤み掛かった金色の鱗を持ち、陽の光を浴びて淡く輝いていた。
だが、目は何処か虚ろに村の集落を見渡していた。
ドラゴン−−スマウグは、今ようやく自分が起こした惨状に気が付いた。
村を焼き、この村に住んでいる人間を殺したのは、自分なのだと。
スマウグは、哀しくひと声鳴くと、自分の心情とは正反対の晴れた空へと羽ばたいた。
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