秘密の部屋

□第11話
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「3つ数えたら、呪文を唱えて下さい。武器を取り上げるだけですよ!」
ロックハートは、この時ばかりは真剣な口振りで言っていた。
生徒が怪我をしたなんてダンブルドアに知られたら、この決闘クラブを開いたロックハートに責任が来るからなんていうのもあるかもしれない。
それでも、夢子がロックハートの言う事なんて聞くだろうか?
「1ー2ー3!!」
「アバダ・ケダブラ」
ロックハートが数え終わると同時に、夢子が呪文を放った。
緑の閃光を見て、ユイは素早く避けた。
その閃光は、壁に当たって消えた。
周りの皆は恐ろしい物を見るかの様に夢子を見ていた。
夢子は、その視線をあんな魔法が使えるなんて凄いという尊敬な眼差しと勘違いしているらしく、ふんと笑いながら胸を張っていた。
「ちょっと、今の死の呪文はないでしょう!?」
「何よ、危険な相手から身を守るのよ?
アバダ・ケダブラはそれに有効じゃない。
貴女馬鹿? それとも貴女をここに送った神様が無能なのかしら?」
こいつ、馬鹿にしよってからに!
「2人とも、とりあえず台から下がって!
次のペアはそうですね……」
ロックハートがユイと夢子に台から降りるよう命じた後、次のペアを指名した。
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