秘密の部屋

□第10話
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ハリーは、医務室のベッドで眠っていた。
と、不意に例のあの声が聞こえてきた。
「殺してやる……引き裂いてやる」
ハリーは身を起こして声が聞こえた天井を見上げた。
「どうも!」
ハリーのベッドからまた別の声が割り込んで来た。
「ドビー!?」
「言う通りにして、ホグワーツから出るべきだったのです」
自分の家に来て、ホグワーツに来てはいけないという理由で、部屋に閉じ込められる原因を作った屋敷しもべのドビーがそこにいた。
「ドビーめのブラッジャーならそうさせられると……」
「君だったんだ。僕の腕が生える前に消えた方がいい。
君を絞め殺さねないから」
「殺すという言葉は慣れています。ドビーめのご主人様に毎日言われています」
ドビーは、ボロ絹の様な服で鼻をかんだ。
「なんで、そんな服を着ているの?」
「これですか? これは、屋敷しもべ妖精が奴隷だということを示しているのでございます。
ドビーめは、ご主人様が服をくださった時初めて自由の身になるのです」
ハリーは、どうして僕をホグワーツから出るべきなの? とドビーに聞いた。
「秘密の部屋が再び開かれたからです。
だから、貴方はここにいてはいけないのです。
それに、ご主人様はおしゃっていました……。
ユイを闇側に引き込もうと……」
「ユイ!?」
ユイの名前を聞いて、ハリーは驚いた。
「君のご主人様ってもしかしてユイを知ってるの!?
そのご主人様って誰なんだい?
ユイをどうするつもり……」
医務室の廊下から、複数の足音が聞こえた。
そちらに視線をやって、再びドビーを見たがすでに姿を消していた。
ハリーは、慌ててベッドに横になった。
「こちらです」
「まだ若いのに……」
マグゴナガル先生とマダム・ポンフリーの声が聞こえた。
そして、誰かをベッドに横たえたのをハリーは視界に捉えた。
「もしかしたら、襲った者を写真に撮っているかもしれません」
ダンブルドアが、カメラを取り中を開くが壊れていた。
意図的に壊されたのは、明白だった。
「ダンブルドア、これって……」
「生徒を家に帰さねば……。ホグワーツはもはや安全ではない。
秘密の部屋が再び開かれたのじゃ……」
ハリーは、首をバレない程度に傾けた。
ベッドに寝かされていたのは、コリン・クリービーだった。
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