秘密の部屋

□第10話
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ハリーの呻きが医務室に響く。
「ハリー、大丈夫?」
「大丈夫なもんか。腕の骨が無くなったんだぞ」
ユイのハリーへの問い掛けにロンが答えた。
あの後、駆け付けたロックハートによって折れた腕を治されたはずだった。
だが、何故か腕の骨が無くなったのだ。
「ほらほら、どいて」
マダム・ポンフリーがハリーのベッド周りにいる人を押し退けてやって来た。
手には、液体の入った瓶を抱えている。
「まず、これを飲みなさい」
「治りますよね?」
「治りますとも。骨の再生には、時間がかかりますが」
ちょうど薬を飲んでいたハリーが、ブッと吹き出した。
「ま、まずい……」
「カボチャジュースとでも思ったの?」
マダム・ポンフリーが呆れた様に言った。


ユイは、ハリーの様子を見た後に寮へと帰った。
「ハリーの骨折はできたら止めたかったんだけど……」
ベッドに腰掛けてそう呟く。
だが、あのクィディッチの観客席の中でドビーがどこにいるか全く分からなかった。
「関わらないって決めた以上、あまりくよくよしても仕方ない……か」
ユイは、力無く呟いた。
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