賢者の石

□変身術
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「貴女、初日の授業なのに遅刻?」
「昨日、色々あったから疲れてたの」
マクゴナガル先生が変身術について説明している最中に、夢子が小声で話しかけてきた。
「私なんか、ダイアゴン横丁から帰ってすぐ校内を見たのよ。
おかげでどの教室がどこにあるのかも、全部想定済みよ」
こいつ、引っ叩いてやりたい。
そんなユイの心情など構わずに夢子は続けた。
「それに、私はハリー・ポッターの登場人物達がどんな行く末を辿るのかも知ってるから。
だから私が皆んなの運命を変えて、スネイプから好いてもらうの。
貴女は? 皆んなの運命を知ってるの?
例え知っていて救おうとしても無駄よ、私が皆んなを救うんだから」
等々我慢出来なくなったユイは、思わず叫んでしまった。
「ふざけんな! あんたは皆んなの行く末を知ってるからいいけど、私はここに来る前あのふざけた紅目の神様野郎に原作や映画の展開が分からないようにって記憶を封じられたのよ!?」
「ヤマブキ!!」
マクゴナガル先生の呼び声にユイは、我を取り戻した。
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