Reason
□波乱な展開
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朝食の後に、早速魔術の練習に励むこととなった私。
だが。
「上手く出来ない」
「私が手助けしてやろうか?」
言いながら綺礼が私の背後に回り、自身の手の平を重ねてくる。
それだけでなく、甘い声が耳朶を打ち……。
みたいな某魔法学校の夢小説で夢主と黒づくめの様な、よくある展開は無く。
ユイは一発で魔術を完成させていた。
「意外と出来るものなんですね」
「魔術とは手順さえこなせば、誰でも出来るものだ。
魔力量にもよるが」
「……某魔法学校の夢小説に登場する夢主と黒づくめみたいに、黒づくめが夢主の背後から回り込んで手を重ねて、魔法の手助けをしていつの間にかアレみたいな展開になるのを期待してたんですけど」
「君の言っている事はさっぱりだが、下らないと言う事は理解出来た」
ありゃ、それ完全にゴミを見る目ですね。
何はともあれ、支援と防御魔術(意地でも魔法とは言わない)は取得出来たのだ。
後は……。
「間桐の家を教えて下さい」
「本気かね」
「はい」
ユイの変わらない答えに、結局綺礼は間桐までの道程を教えたのだった。