イツカノ夢、タシカナ記憶
□脱獄
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(いつまでもココに居るわけにはいかない...)
檻の中から対魔士がいないことを確認し懐にしまっている物をとりだす。
これこそ聖隷シャロンの器としている懐中時計。
多くの聖隷は意思を封じられ主の命令にのみ従い、行動し、まるで道具同然に扱われている。
幸いシャロンは対魔士に捕まる前に懐中時計を器にしたことにより自我を失うことはなかった。
対魔士に懐中時計を壊されなかったのは器を無くし聖隷がドラゴンとなり襲ってくることを恐れてあえてのことだろう。
「ただ...コレだけはどうすることもできないわね......」
そう呟く彼女の首には聖隷術を封じ込む首輪をつけられていた。シャロンは外すことのできない、それに触れながらため息を漏らす。
本来なら聖隷術を使い檻を壊し脱出しているところだが封じ込まれている以上それもままならない状態だった。