イツカノ夢、タシカナ記憶

□縛るもの
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洞窟の中を少し進むとシャロンは先ほどの男の背を捉えた。どうやらモンスターを倒し終えたところのようだ。

「着いて来るのはお前だけか...他の奴らはどうした?」

「まだ残って考えてるみたいよ。私はあんたの情報網はこれから必要になると思って先に来たわ。それと...」

シャロンは男に近づき思いっきり頬を引っ叩いた。
突然の出来事に男は反応できなかったのか一瞬硬直する。

「...何しやがる」

「さっきの戦闘でのお返しよ。根に持つタイプではないけれどこれでちょっとスッキリしたわ」

いきなりじゃないとあなたよけそうだし...と付けたしながらニッコリと笑顔を浮かべて答えるシャロンに男は舌打ちを一つし言い返す。

「あれはお前が聖隷術を使わないのが悪い」

「さっきも言ったと思うけれど使わないんじゃなくて使えないのよ」

「何だと?見たところ意志を押さえつけられているようには見えないがどういうことだ...?」

シャロンの言葉に眉を寄せる男に
これまでの経緯と理由を説明する。
___________ _____ ___ __ _

「なるほどな...」

「どうにかならないかしら?」

「鍵穴らしきものはない...おそらく術式を組み込まれた首輪だ、無理やり外すのは無理だろうな」

男の言葉を聞いて残念そうにするシャロンに、だが...と続ける。

「もともと術式とは聖隷が扱うものだ地水火風のいずれかを組み合わし同時に首輪に与えれば外れるかも知れん」

「...組み合わせるってことは最低でも2人必要ってことね...」

そう思案していると協力することを選んだのかベルベット達が2人の目の前まで近ずく。
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