イツカノ夢、タシカナ記憶
□死神との遭遇
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その後、船に乗っているメンバーと自己紹介を済ませダイルというトカゲ業魔の舵により一行は王都へと向かっていた。
目的地に到着するまで各個人好きなように過ごしていいらしくシャロンはある人物の側に近づいた。
ぼんやりとどこを見ているのか分からないその少年の目の高さに合わせしゃがむと少年はゆっくりとこちらの方に顔を向けた。
(目に光がないまるで人形のよう...)「あなた、2号と言ったわね?成り行きでこの船に乗ることになったみたいだけれどこれから危険な場所に行く可能性も多いと思うわ、それでも着いて行くの?」
「...それが命令なら」
その返答に自我を封じられた聖隷がどれほどのものなのかを実感した。
(もし自分も対魔士に使役されていたら意思を押さえつけられ隷属物として扱われていたのだろうか...)
そんな考えを巡らしていると凄まじい音と共に船が大きく揺れた。
揺れによってよろけた2号を支えながらシャロンは後方を確認する。
「海賊船!!」
「あの旗は......まさか『アイフリード海賊団』!?」
どうやら揺れの原因はあの一隻の船が大砲を放ったようだ...だがこちらから攻撃する手段はない。
「バッチリ狙いをつけられとるぞ。海の上でやりあうのは、ちとヤバそうじゃの」
「陸につけて!陸で迎え撃つ!」
海上戦は不利だと感じたベルベットはダイルにそう指示をだし陸でやり合うため武器を取り出し攻撃の準備を整えた。