▲緑にまつわる物語▲

□ミッション001
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教室にもどると どよめきが
「デク、ピアス似合ってるじゃん!」
切島はからかってなくてマジか?
「え?」
「ホント、もうずっとしちゃいなよ。」
蛙吹の判断はいつも正しいかもしれない。
「ずっとって ええ?」
「でも デクちゃん 片方だけより両方の方がきっとステキよ。」
「ちょっと梅雨ちゃん、なんのためのピアスなんだよ。通信用だろ?」
「でも、見た目も大事よ。オールマイトが授業で言ってたじゃない。」
「そ、それは。」
やっぱり、緑屋は オールマイト を出されると 反論をノックアウトされてしまうな。

「八百万、通信機能なくていいから、もう一つ対のピアス出してくれ。」
こそっと 彼女に 耳打ちすると
「もう出してる。こっちは 穴のいらない強力磁石にしたわ。」
「ありがとう。」
「なんで 轟くんが礼をいうのよ。」
「なんか、緑屋の両耳 ピアス無性に見たくて。」
そう答えて、八百万から受け取ったピアスを持って緑屋に近づく。

「こっちは穴いらないらしい。じっとしろよ。」
「え?う、うん 。」
そう言って クラスの大半が見守る中で もう片方の緑屋の耳にピアスをつける。

「どうだ、痛くないか?」
「穴開けたわけじゃないから全然なんともない。」

「うわあ、なんだろう緑屋、めっちゃ似合ってるじゃん。」
切島は要注意か。
「ほんとほんと。なんで?」

「きっと、緑屋君の髪型のせいよ。ふわふわで横に広がっているから似合ってるのね。
大昔のブラックミュージックの歌手にこんなのいそうじゃない?…女性だけど。」
なるほど、蛙吹の言葉にみんなで頷く。

「じゃあ、これでみんな 準備オッケーだな! ミッションに行くぞ。」
委員長が合図を出す。

「え? え?待って、なんか 僕、みんなと違うような。」
「時間がない、それで行くぞ。」

「う、うん。 って 男子はみんなインカムじゃないか!なんで僕だけこれ?」

ちっ、気が付いたか。
文句と疑問が吹き出ている出久に近寄って囁いてやる。
「似合ってるからいいんじゃない?」
「……似合ってるからって。ええーっ」
「デクくん、私も両耳にしてもらったんだ。お揃いね。」
「麗日さんとおそろい…。」
ナイス!緑屋が納得したぞ。
「もう時間がない、行くぞ緑屋くん。」
委員長の言葉に諦めたようだ。
「わ、わかった!」
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