▲緑にまつわる物語▲

□ミッション001
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ガラガラ
保健室のくせにドアの音がうるさい。
寝込んでいる奴がいたらどうすんだよ。
「緑屋、治ったのか?」
「轟くん。うんなんとか動けるようになったよ。あ、ミッションにはまだ間に合うよね。」
どうやらリカバリーガールはいないみたいだ。
「ああ、八百万から預かってきた。これ。」
「?」
「ミッションの通信用だ。」
「あ、ありがとう。」
「ピアスなんだが。」
「ピアス〜?」
「緑屋の耳 ピアス穴空いてる?」
「空いてるわけないよ。」
「じゃあ 俺がやってやろう。」
そう言って リカバリーガールの引き出しから安全ピンを拝借する。
左手の指先から小さい炎を出して針の先を消毒する。
そして右手に小さめの氷を作る。
「ちょっと じっとしてろよ。」
「う、 うん。 ひゃ 冷たい!」
氷を緑屋の耳たぶにくっつける
「じっとしろ。ピアス穴開けるときは 冷やすと痛くないらしいからな。」
「そうなの?
ん、耳たぶが冷たくて痺れてきた。」

よし。今だな。では一気に


「どうだ?緑屋。痛くないか?」
「うん、大丈夫。さっきの怪我に比べたら全然平気。」
「そっか。…それにしても、緑屋 そういうの意外とすごく似合ってるな。」
緑屋のファーストピアスになったのは、
直径2センチぐらいのまるくつながっている三日月がぶら下がっている。
「でもなんか、ぷらぷらしていて コレで動けるかなあ。」
確かにファーストピアスにしては飾りが大きい。まあ八百万の趣味も入ってるのか。
「集中していたら気にならないだろう。」
「そっか、そうだね。」
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