番外編

□気になって仕方がない
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「…入るぞ」

自室を出た跡部は早速名無しの部屋を訪れたが当然部屋は暗くなっており、電気を点けようにも名無しが起きてしまう可能性がある為仕方なく跡部は月明かりを頼りにベッドまでゆっくりと歩いていった。

「ふん…呑気そうに寝やがって」

『んんっ…』

「…」

『…』

「にしても…」

自分が用意したテディベアの内お気に入りのテディベアが出来たのかそれを抱き締めながら気持ち良さそうにすやすやと眠る名無しに跡部は不覚にも頬を赤く染めながら口元を…どころか顔全体を緩ませその寝姿を見据えていた。

「可愛いじゃねえの。たかだか熊のぬいぐるみを大事そうに抱えちまってよ」

『…ん…』

「本当にお前は何も覚えてねえのかよ。あん時約束したろ?テディベアをベッド一杯にして用意してやると。俺様はお前の望みを叶えてやったんだからお前も早く俺様の望みを叶えろ」

跡部は名無しの艶やかな黒髪をさらさらと撫でながらそう呟き起こさない程度に可愛らしく赤色に染まる頬に触れるだけのキスを落とした。

「クックッ…相変わらずお前の頬は柔らかいんだな。それに今はどこもかしこも柔らかそうじゃねえか。随分美味しそうに成長したじゃねえの」

ぷにぷにと名無しの頬をつつきながら悪戯な笑みを浮かべていた跡部だったが暑かったのか名無しが布団を蹴飛ばした瞬間またしても顔を熱くさせてしまった。

「ふっ…服が捲れ上がってやがる。つうか寝相悪すぎんだろ」

上半身のパジャマが捲れ上がり微妙に可愛らしい下着が見えておりこのまま鑑賞するべきかそれとも服を整えてやるべきか跡部は頭の中で葛藤していたが何かに気が付いたのかやがてはっとしたように自分のポケットに手を入れた。

「チッ…俺様とした事が携帯を部屋に忘れてきちまうなんざやらかしちまったぜ」

自分がとんでもない変態発言をしているとは気が付いていないのか跡部は悔しそうに顔を歪めさせもう1度舌打ちを吐きベッドから立ち上がりそろりそろりと名無しの部屋をあとにしていった。







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