雑記

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恋乱華・織田信長の場合~接吻~

煌々と照らす月明かりが襖の間から差し込み、誰もいない褥と掛軸を照らす。
信長様の部屋に来た私は、主の居ない部屋の中でぼうっと差し込む光を眺めていた。
先程光秀様が来られて急に険しくなった信長様のお顔を見てから四半刻ほど経っただろうか。

(帰ってこないな…どうしよう。)

自室に帰れとも、此処に居ろとも言われなかったのを思い出して、敷いたばかりの褥に潜るのもはばかられる。

(いつ帰ってくるかわからないし、帰ろう…)

そうしてそっと立ち上がろうとした時だった。

「貴様…何をしておる。」

襖が大きく開かれ、隙間から入っていた細い月明かりが眩しく、背後から照らす柔らかな光が彼に影を落とした。

「わっ…信長様っ…?!あ、ええと…光秀様とお話をされていたのでは?」

「あ奴の話はつまらん。頭が硬過ぎるのだ…。」

「そ、そうなのですね…。では私はこれで…」

「待て。貴様…何を隠しておるのだ?」

「いえ…何も…」

「馬鹿な事を抜かすな。まさか帰ろうとしていた訳ではあるまい。」

「う…ええと…それは…」

にやりと笑った信長様は私の前に跪いて、かさついた手でゆるりと頬を撫でる。

「ふん、貴様…自分の意思で此処へ来た事を忘れたのか?」

「え…そういう訳では…んん、ぅ…信長、さま…」

私の首の後ろに手を滑らせた信長様の顔が近付いて、強引に口付けられた。
抵抗しようとしても、逃げられぬ程に頭を固定されてしまい、信長様の熱い舌から逃れられない。

「誘ったのは貴様であろう…今宵は一晩中抱いてやる。」

「…っ…は、い…」

信長様の目を見れずに視線を伏せると、顎を持ち上げられて見つめ合わされる。
思いの外甘い熱視線を送られて真っ赤になる私を、信長様は満足そうに見つめて私を褥へ押し倒した。
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