PSYCHO-PASS

□藤間幸三郎
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標本事件

死体を工芸品のように細工して飾り付ける。そしてその細工を可能にしているのはプラスティネーション薬剤。
プラスティネーションとは、死体に樹脂を浸透化させて固定化する…つまり腐ったりしないようにして標本にしてしまう技術だ。
通常のプラスティネーションは何日もホルマリン溶液を浸して更に数日かけての作業が多く面倒なものである。
通常720時間以上かかるものを82時間で作り上げたのは槙島聖護の力である。
まぁ、作成したのは藤間幸三郎であるが…。

衆院議員橋田良二は彼行きつけの赤坂の高級料亭の前庭に展示されていた。
賄賂疑惑に対し「記憶にございません」を連発し、批判されていた。
そんな皮肉をこめた作品は、全裸で正座をし三指をつき頭部を切開した後脳をくり抜かれている。それに加え、記憶を司る海馬を肛門に挿入されている。

その次は無戸籍少女を千代田区外神田パブリックパークの設営途中のアイドルコンサートのステージ上でまるで天使のように吊るされていた。
翼は剥ぎ取られた皮膚から、ドレープは筋組織によって放射線状に広げられた大腿部であった。

写真をじっくり見てみれば中々グロいな…だが、こうして目にしてみると王陵璃華子よりもずっと面白い。

三人目の犠牲者、佐々山光留を作成する前に一度会っておきたいものだね。

「聖護、藤間幸三郎と連絡とれるかい?それから俺のデバイスも調達出来たら有難いな」

そう言って見せればフッと笑って聖護は了承した。

非常に楽しみだな
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