PSYCHO-PASS
□出会い
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最近は寝るのが楽しみだ。
何故か、と問われれば俺の好きなアニメであるサイコパスのキャラクターが出てきてくれるからだ。
一人しか出てきてないが好きなキャラだからとても嬉しい。
しかも幼児期。
…ここで一つ断っておくと、俺はショタコンな訳では無い。
「あ、蒼汰」
たたっと走り寄ってくる真っ白な少年
大体5.6歳くらい…いや、もっと幼いだろうか
「待ったかい?聖護」
「待ってないよ」
ふわりと微笑む彼はアニメの時には想像出来ない可愛さがある。
彼の前ではカッコつけていたくて、将来の彼の話し方をつい真似してしまう。
「今日はいつまで一緒にいられる?」
「いつまでだろうね」
椅子と机以外は何も無い空間に俺と聖護二人だけ。
俺は夢が覚めると、この空間には居られない。彼も勿論俺のつくった妄想だ。そう、その頃は思っていたのだ。
聖護は椅子が2つあるにも関わらず俺の足の上に座ってくる
「ふふ、寂しかったのかな?」
「…そうかもしれない。」
とすっと俺の胸に体を預けてくる彼を抱きしめてやると満足そうな表情に変わる。
「蒼汰がいない世界は退屈だ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。…そう言えば、聖護は本は読むかい?」
「本?読む機会はあんまりない」
そうか、この頃はまだ本を読んでいないのか。
「『本を読むことは大切だ。人類の門を開き、その前進を促すのは、世界という書物を直接読み解いた者だけだからね。読むという感覚は、常に研ぎ澄ませておかないといけない。』」
「読む…」
「これは俺が大好きな人が言った言葉だよ。キミも、紙の本を読みなよ」
「わかった」
にこっと笑う彼が将来あんなに残酷になるのかと思うと少し悲しくはなるが、俺はそんな彼が好きなのだ。
「ずっと一緒に居られないの?」
「居られたらいいのにね」
ダメだ、もう覚めそうな気がする。
慣れだろうか、夢の終わりがほんの少しだけわかるようになった。
「もう時間のようだ。またね、聖護」
「…またね、蒼汰」
自分の足からおろせば泣きそうな顔で見つめる聖護は「行かないで」と言っているようだった。
俺も出来れば離れたくないよ、聖護
そこでふっと意識がなくなる。
そして目を開けば見慣れた天井があって朝を迎えるのだった。