雪の夢
□真夜中のドライブデート2
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『はぁ・・・』
ゆうみは自宅のリビングで何度目かのため息をついた。
酔っていたとはいえ、風斗にせいなへの想いを打ち明けてしまったこと。
せいなに挨拶もせずに帰宅してしまったことに反省せずには居られなかった。
『どうしましょう・・・』
風斗は優しい。
「おかしくない」と言ってくれた。
本当におかしい事じゃない?
女性である私が女性を好きになっても、本当におかしくない?
経験した事のない状況に、良いも悪いも分からなかった。
でも1つだけ分かった事がある。
『ちぎさんに・・・会いたいな・・。』
自分がどれだけせいなの事が好きか、だった。
せいなが娘役と話してるところなんか毎日見ている。
稽古中だって腰に手を回したり、腕を組む事なんて当然だ。
何で今日に限ってあんなに嫉妬してしまったのかゆうみにも分からなかった。
『はぁ・・・お風呂入ろ・・・』
明日は休演日で1日オフだ。
こんな日はゆっくり半身浴でもして汗をかこう。
珍しく摂取したアルコールを排出するにもちょうどいい。
『入浴剤は何にしましょう〜♪』
もやもやする気持ちを誤魔化すように鼻歌を歌いながらバスルームへ向かった。
[〜〜♪♪〜♪〜〜〜♪]
廊下へ出た時、リビングのテーブルに置いたケータイが鳴った。
ゆうみは慌てて引き返し、着信画面を見て驚いた。
『ち、ちぎさんだ・・・・』