文
□決勝前に
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やっつけ仕事です。
どうか大目に見て下さい。
決勝前夜なのか、当日なのか。
決勝前に
サトシが決勝への切符を勝ち取ったのは、オーキド邸にてテレビ越しに観戦していたオーキド本人、助手のケンジ、サトシのポケモンたちそして、サトシの母ハナコの知るところとなった。
決勝進出。それだけでも彼等の心を沸き立たせたのに、サトシ本人からも決勝進出を伝えに連絡をくれた。
皆、喜んだ。連絡を寄越さず決勝に臨むと思っていたから。特にサトシのポケモンたちのテンションが凄い。
「とうとう、決勝じゃな」
『うん、すっげーワクワクしてる!』
「決勝進出おめでとうサトシ!直接、応援に行けたらよかったんだけど」
『いいってケンジ、あとサンキュー!』
「決勝戦、遅刻しないようにね?」
『ママ……。しないから!』
ダネダネコキコキベトベトベイベイ!
ワニワニマグマグヘイヘイジュカジュカ!
室内にいるポケモンたちも外は窓辺に集まったポケモンたちも、口々に叫んでサトシに想いを伝える。中にはリーグに呼んでもらえなかったことに、少し拗ねているものもいるが。
『みんなを呼んでやれなくてゴメンな。でもオレ、ここカロスでゲットした仲間たちでいきたいんだ。オレの、お前たちの新しい仲間の力、見ててくれるか?』
言われれば、頷く以外ない。けれどやはり、リーグという大舞台。決勝。共に立つのは自分でありたかった。そして愛するマスターに勝利を。
『……みんな、』
静かに、それでいて揺るがぬ強さの籠もった声が響く。瞳には、確かな闘志。オーキドもハナコもケンジもポケモンたちも、サトシを真っ直ぐに見詰める。
『勝つから』
告げる。はっきりと。
微笑って、誓う。
みんなも、微笑う。
微笑って、送り出す。
「悔いの残らんようにな」
『うん!』
「頑張れよ!」
『うん!』
「…サトシ、」
『ママ』
「行ってらっしゃい!」
『行ってきます!!』
ポケモンたちが一斉に声を上げる。彼の背中を押すように。共に戦えなくとも、心は共に在るのだと。
通信が切れる。
何も映さぬ暗い画面を、誰もが暫く見詰め続けた。
不安はある。ゲッコウガというポケモンに起きる不思議な現象。そのポケモンが技を受けた時、サトシも顔を歪め、同じ場所を押さえていた。
きっと、また何か無茶をしているのだろう。けれど言わない。止まらないのを知っているから。
自分の大切な息子は。友人は。マスターは。
だからせめて。
強く強くありったけの想いを。
――頑張れ、サトシ。
終わり
初の決勝だもの。
マサラのみんなに報告して欲しかったという願望。最初はハナコママだけでピカ様もいたのに、ピカ様ログアウト。すまぬ。
リーグ観るなら皆一緒だろうと思いまして。オーキドさん方もやっぱり書きたくて。何度か書き直してたらこんなことに。
でも入れたかった、サトシさんの勝つから。と、ハナコママの行ってらっしゃい。を書けた。それだけは良かった。
お目汚し失礼。
閲覧ありがとうございました!