□今から一緒に殴りに行かない?
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ポケモン達の口調は捏造です。
ポケモン達の口調、難しい。
これ違う、と思いましたらスイマセン。






『なぁんですってぇぇぇっ!!?』


ある日ののどかな昼下がり。
オーキド研究所の庭に、恋する乙女の絶叫が轟いた。


『ど、どうしたのベイリーフ先輩?』


叫びを聞いて様子を見にきたサトポケ(一部)達。その中から、同じ草タイプで女の子のツタージャが、若干引きながらも声をかけた。


『どうしたもこうしたもないわっ!ロケット団よ!!』
『ロケット団?』
『そうよ!あんのストーカー共、わたしよりもずっと前に!サトシのほっぺに……キ・ス、してたっていうじゃない!!』
『はぁ!?』
『女の方だけじゃなく男の方までっ!サトシの両ほっぺを奪いやがったのよぉぉぉぉっ!!!』


ごすぅっ!

怒りにまかせた蔓の鞭が、傍にいたワニノコの顔にめりこんだ。悲鳴も上げられず吹っ飛び地に沈む青いワニ。


『ああっ!ワニノコさん!』
『効果は抜群だ!』
『お〜ふっとんだ〜』
『見事な蔓の鞭だな。流石ベイリーフ』
『あれは僕も喰らいたくないなぁ』
『フシのボスのソーラービームとどっちが嫌?』
『どっちもヤだけど』
『ソーラービーム』


暴れ続けるベイリーフから距離をとりつつ好き勝手に話すサトポケ達。ワニノコは放置されている。そんな収拾がつかなくなりかけた時、強制ストップが掛かるのは必然、当然の理。噂もされてたことでもあるし。


『はーいちょっと落ち着こうなー』


きゅごおぅ!!!

空に向かって光の柱が突き抜けた。













『で、なんでこんな事になったんだ?』


ベイリーフもようやく落ち着き、フシギダネが話を聞き出す。


『だって……、ワニノコが……』
『ワニノコが?』
『ゼニガメにーさんから〜、前の旅のコト聞いたって〜、ぼくたちに話してくれてたんだけど〜』


ベイリーフが言いよどむ間にマグマラシが答える。


『ロケット団が〜、サトシにキスしたことあるって聞いて〜、ベイリーフが暴走したの〜』
『あー…』


なるほど。とその場に集まったもの達は納得した。そりゃ暴れもするわ、と。ベイリーフのサトシLOVEはサトポケならば知らぬはずも無し。

ちなみに余計な事を言い、シバかれたワニノコはというと。既に復活し少し離れた所で踊っている…。反省はあまりないようだ。


『みんなだってムカつかない!?わたしたちのサトシに、わたしたちの誰より早くそんなマネするなんて!』
『……それは、まぁ。イラッと来ないでも…』
『う〜ん、確かに』
『サトシに……ちゅう…』
『ところでベイリーフ先輩。わたしより前に、ってことは先輩はあるのよね?サトシにキスしたこと』
『あるわ!まだチコリータの時にね!ほっぺに!』
『…そう』
『なによ。羨ましいんならツタージャもすればいいじゃない』
『え!?…私は別に』
『サトポケ仲間ならわたしだって、我慢してみせるわ。サトシを一人占め、は無理なのは判ってるし。たまにピカチュウ呪うくらいよ。けど、ロケット団は論外っ!そうでしょ!?』
『なにか不穏なセリフも聞こえた気がするけれど。…そう、ね。羨ましいかはともかく、おもしろくは無いかしら』
『結局みんな〜サトシだいすきだもんね〜』
『とーぜん!!だから、これからみんなで一緒に…』


そこでベイリーフは言葉を切り、にこやかに、それでいて壮絶に。


『あいつらボコりに行かない?』


きっぱりはっきりのたもーた。





その時、ロケット団、特にムサシとコジロウに凄まじい悪寒が走ったとか走らなかったとか。


そして。後にロケット団がどうなったかは。サトポケ達と、どっかの神のみぞ知る。



終わり



 
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