幸福の花園

□月の寮の朝
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麗姫たちが皆の待つホールに降りてくると、枢が声を掛けてきた。
「おはよう麗姫。今朝はいつもより降りてくる時間が遅かったけど、どうかしたのかい?」
「昨日少し夜更かしした所為で少しばかり寝坊してしまったのよ。でも、登校時間には間に合ったでしょう?」
麗姫は流石にもう、瑠佳を困らせることは無かった。そしてホールをざっと見渡すと言った。
「あら?千里が居ないわね、拓麻、千里はどうしたの?」
自分の恋人がもう登校時間ギリギリになっているにも関わらず姿を見せないことに不思議がり、千里と同室の副寮長に尋ねた。
「あぁおはよう麗姫、千里は僕が起きるときに一緒に声をかけたんだけど、あと1時間とか言って全然起きてくれないんだ。だから、麗姫に起こしてもらおうと思って待っていたんだよ。呼んできてくれないかな?」
拓磨はしれっと悪びれずに言う。
「しょうがないわね、拓磨が起こしても起きないんだったら私が起こすしかないか。」
「でしたら麗姫様、私もついて行きます。」
莉磨が率先して麗姫について行く。莉磨は片時も麗姫と離れていたくないのだ。
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