幸福の花園

□月の寮の朝
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「大丈夫よ莉磨、今朝は瑠佳が起こしてくれなかったから寝坊してしまったのよ。」
麗姫は起こしてくれなかった瑠佳を少しばかりいじめてみた。
「そうなの瑠佳?」
莉磨は大好きな麗姫が瑠佳に嫌がらせされているのではと整った顔を少し歪める。
「そんな麗姫様!私は嫌がらせのつもりで起こさなかった訳では!」
瑠佳は必死になって弁解する。実の姉のように慕っている麗姫に嫌われてしまったら明日から生きていける自信がないのだ。
寧ろ起こさなかった理由は嫌がらせどころか麗しい麗姫の寝顔を枢を盗撮する英よろしく激写してしていたのだ。
「ふふふ、嘘よ瑠佳。ちょっと瑠佳に悪戯してみたかっただけよ。
それに寝坊したのは起きなかった私が悪いのだもの。」
いつも冷静な瑠佳が珍しく焦っているのを見て満足そうに微笑む麗姫。
そして
「さぁ、これ以上枢たちを待たせると本当に怒られてしまうわ。早く行きましょう。」
そう言うと麗姫は瑠佳と莉磨を引き連れてナイトクラスの生徒たちが待つホールへ向かった。
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