幸福の花園

□月の寮の朝
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少女が目を覚ましたのはナイトクラスの授業が始まる少し前だった。
「ううん、、、今何時?瑠佳。」
「授業の始まる30分前ですわ。麗姫様。」
瑠佳と呼ばれた女性はそう答えた。
因みに彼女は支度をすべて終え、今にも出かけられる格好をしていた。
「何で起こしてくれなかったの!?あぁ、間に合わないかもしれない!」
白髪の少女は急いで支度しながら瑠佳を責める。
「申し訳ありません、しかし麗姫様がとても気持ちよさそうに寝ていたもので、、、」
瑠佳はとても申し訳なさそうに謝る。しかし実際は麗姫の寝顔を撮るのに忙しく、起こすのを忘れていたのだ。
「あぁどうしよう、遅れたら枢に怒られてしまうわ。まだ一度も遅刻したことないのに、、、。」
麗姫は美しい髪を一つに結い、急いで純白の制服を纏った。
いつもは綺麗な髪を下ろしているのだが、今回は寝坊して寝癖が付いていたため、ポニーテールにしたのだ。
ギリギリ学校に行く支度を終えるとタイミングよくドアがノックされた。
瑠佳がドアを開けると、其処には莉磨が立っていた。
「麗姫様、いつもより降りてくる時間が遅いですが、どうしたんですか?」
莉磨はいつも授業の始まる1時間前にはホールに降りてお茶を飲んでいる麗姫が今朝は見当たらなかったので心配して部屋まで上がってきたのだ。
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