幸福の花園

□月の寮の朝
5ページ/8ページ

「莉磨がそう言うなら仕方ないわね。拓磨の事は許してあげましょう。」
莉磨の願いを快く聞き入れた麗姫は不機嫌に歪んだ顔を元に戻して言った。
そして千里の部屋に着いた麗姫はどのようにして千里を起こそうかと悩んでいた。
「困ったわね、千里を起こすには並大抵の努力じゃ無理なはずだわ。どうしよう。」
真剣に困っている麗姫の隣で莉磨は、麗姫が部屋に入った瞬間に起きるのでは?と考えていた。
「とりあえず部屋に入りましょうか。」
麗姫はどう起こすにもまず部屋に入らねばと、ドアを開けて中に入った。
「千里、まだ寝ているの?もう少しで登校時間よ!」
麗姫は千里を起こすのにだいぶ時間が掛かると覚悟しながら千里に声を掛けた。
「、、、、ん?麗姫?」
千里はいつも一条が起こしてくれるのに、今日は大好きな麗姫の声がする事に驚きながらも折角麗姫が起こしてくれているのだからといそいそとベッドから抜け出てきた。
それを見た麗姫は呆然、莉磨はやっぱりという顔をしていた。
「あれ?拓磨が声を掛けた時はおきなかったはずよね?何で私が起こすと一発なのかしら。」
それは麗姫様だからですよ、と莉磨は心の中でツッコミを入れる。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ