小さな公園

□名前
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例えばもし

自分の名前すら忘れられてしまったら
一体自分に何が残るのか...


「角都?」

相方が呼ぶこの名前
この名前を忘れられてしまったら
自分は散滅し消えるのだろうか

最近は夢見が悪く体が重い
すごく眠くて...



____________...


「_ _!!」


どれだけ寝ていたのか
相方の声で目を覚ました
いつもと違う風景
薬品の匂い
病院か...何故...?

声に目線をやると心配そうに
相方が顔を覗いていた

「よかった...生きてる...」

安堵する相方を見ていた
なにが起こったのか
理解出来ない
首が痛い

「意識はっきりしてるか?大丈夫か?」

相方の問いかけに小さく頷いた


「びっくりしたぜ...部屋帰ったらお前首吊っててよ、やべえと思って咄嗟に持ってた鎌で縄切ってすぐ医者呼んだんだぜ」


首を...?
そんな記憶はないと
自分の中で否定した
だが事実のようで
首の痛みが答えだった

何故こうなったか...
ああそうか...
そう簡単に死なせては
くれないようだ

「もう変なことすんじゃねえよ?_ _...」

え...?


「_ _が死んだら俺マジで嫌だかんな!」


それは俺の名前...?
本当に俺の名前...?

相方のことがわかるのに
自分のことがわからない

「聞いてんのか_ _?」


名前がわからない...?


名前...名前...名前名前名前名前名前名前名前名前名前名前名前!!








_______...


「残念ですが...」


「嘘だろ...角都が...?」


病院の屋上から





飛び降りたらしい



...

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