小さな公園
□優しい雨
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雨はどうも憂鬱で
窓の外を静かに眺めていた角都
カチャリと音がしたので
振り返ると飛段がいた
「よぉ、寒くねえ?」
片手には淹れたてのコーヒーがあった
「...問題ない」
冷たく言い放ったところで飛段は引き下がらないことを知っている
飛段は歩み寄りコーヒーを差し出した
「雨なぁ、なんかやだよなぁ...」
角都は何も言わずコーヒーに手をかけた
「角都は雨の日はいつも外見てるよな、なんかあんの?」
相手は答えず空を見た
「俺は相方としてお前のこと知りてえんだけど?」
ただ黙る角都に飛段はため息をついた
「あのなぁ...もう少し「うるさい」」
言葉を遮られムッとなった飛段は黙った
それ以降沈黙が続いたが
耐えきれなくなった飛段は口を開いた
「だあああ!!もう無理!!いいか角都!俺はお前の相方だけどお前は俺じゃねえしお前の言うことばっか聞けねーの!よこせったく!」
相手が飲みかけていたコーヒーをぶんどり勢いつけて飲み干した、唖然とする角都に飛段は
「もうちっと信頼しろバーカ!!」
叫ぶだけ叫びズカズカと大股で部屋から出ていった
小さく息を吐き角都はまた空を見た、憂鬱な雨が少し面白可笑しく、すごく優しく見えた
角都の口元は少しだけ緩んだようだった