大逆転裁判/イーノック・ドレッバー
「ねえ。……来ないの?」
「へっ!?あ、いや…」
「って言っても、他に寝る場所ないけど」
「うう……」
ドレッバーさんが、一緒に寝たいなんて言い出した。
別に嫌なわけじゃない。心底嬉しい。
だけど、だからこそとても緊張する。
嬉しいって思うほどに抵抗したくなってしまうのだ。
「オレと寝るの嫌?」
「!い、嫌じゃありません!……あ」
「ふふ、じゃあおいで」
思わず本音を漏らしてしまい、自分から行かなくてはならなくなった。
このままずっと起きているわけにもいかないし、床で寝るのもよく考えればドレッバーさんに申し訳ない。
機械のようにぎこちない動きでベッドの中、及びドレッバーさんの隣に入る。
「クク、面白いな」
「……何笑ってるんですか」
「いや?じゃあ、おやすみ」
「……はい。おやすみなさい」
それでもやっぱり幸せだった。
***
ドレッバーさんと寝る前は緊張したが、いざ腕の中に入ると安心したのか一晩ぐっすり眠れた。
自然に目が覚めると、隣ではなく顔の正面に人の気配があるように感じた。
「ふ、やっと起きた」
「ひゃあ!ドレッバーさん、起きてたんですか?」
「まあね。それより聞いてほしいんだけど」
目を開ければそこには微笑むドレッバーさんの姿が。
彼はとても大人っぽい雰囲気だけど、そこに子供らしさを感じる時もある。
「夜……お前が夢に出てきた。二人で遊園地みたいなところに行って、お前がとってもはしゃいでた夢」
「!あ、あの……!」
「?」
「じ、実は私も……。夢の中にドレッバーさんが出てきたんです。楽しい夢でした」
「!……クク、一緒に寝たからかな」
「えへへ、そうかもしれません」
こうして笑い合う時間で、今日一日を頑張れるのだ。
***
【Thanks!】
貴方とドレッバーはぎこちない動きで布団に潜り込み、彼に笑われつつも夢の中へと吸い込まれていく。
朝目が覚めると、彼は「やっと起きた!」なんて子供のように言ったあと夢の話を楽しげにしてくれる。
今日も頑張れるな。
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