シャーロック・ホームズ
□11月11日。(ホームズ版)
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※シャーロック・ホームズの世界観・時代にそぐわないものが出てきますが、長い目で見ていただけると嬉しいです。
「へえ、ポッキーゲームねぇ……」
「ここではあまりだけど、東洋の……島国で有名らしいよ」
「ふうん。最初は興味なかったけど、説明聞いて興味が湧いたんだ」
「……え?」
このビートン校の生徒に、東洋の島国である"日本"という国の子と繋がりがある生徒がいて、見知らぬ国への興味からある情報が流れてきた。
今日は11月11日だが、この1が日本にあるお菓子に見えることから、"ポッキーの日"と名付けられているようだ。
そして、こっちは正式かは知らないが、その日にちなんだゲームもあるようだ。
そのゲームの内容をホームズに説明したら、案の定興味を持たれた。
なぜならその内容は、多少口にするのが恥ずかしいことで、恋人同士ならなおさらだからである。
「ね?あるんだろう?」
「……興味本位で貰っただけなんだけど……」
「あるならやるしかないじゃないか!ほら、隣おいで」
「うー……」
ホームズがソファの隣をとんとんと叩くので、仕方なくそこに座る。
そして本日の主役であるポッキーを手渡した。
「ちゃんとやるんだよ」
「う、うん……」
ホームズが真っ先に咥えて、相変わらず渋々私も咥える。
先に彼がそのお菓子を一口分齧ったのだが、私が齧るのを待っている様子だった。
なので私も一口分齧ると、満足そうにまた彼も一口分齧った。
どうやら、交互に齧る気のようだ。
そして、それは速度を増し、段々とお菓子は短くなっていき―それは、ホームズと距離が近づくことを意味していた。
「……っ!」
「ん…………」
到達した。
私が覚悟していたのは、お菓子がかすと化してから、一瞬の感覚があるだけかと思っていた。
しかし彼の場合は違った。
「んんっ……!」
「……はあ、甘いのも悪くないか」
「ちょっと、シャーロック……!」
「なんだい?」
「なんで唇を舐めたの……!?」
「そりゃあ、かすが残ってたからさ。……美味しいね、ミレイは」
「っ……!!」
この後、しばらくはホームズの顔を見れなかったのである。