シャーロック・ホームズ

□Web拍手・ホームズ脳内記@〜J
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人形劇シャーロックホームズ・ホームズの脳内記A

謎の女生徒の調査に進展があったのは、彼女を始めて見たときから間もない時分のことだった。

最初は偶然だったのだが、保健室に用があったため訪れていたとき、例の彼女が現れたのだ。
僕と目が合ったときは彼女は驚いており、しばらくして申し訳ないような、また怯えたような目をしながら僕を見た後、アドラー先生と話していた。

二人の様子を見る限り、幾度か交流はあるようだ。
だとすると、やはり転校生ではないといえる。


ここで、また彼女の秘密が増えることとなった。

どうやら数か月前から負っている傷があるようで、また痛み出したためアドラー先生に見てもらっているようだ。
しかしその傷が、たとえば腕に何か小ぶりな刃物で切られたような切り傷があったり、鎖骨に赤い痕が点々と残っていたり―。

その傷について考えているうちに、処置が終わったようで彼女が保健室を出て行くのが見えた。



「あの子が気になるの?」
「……ええ。アドラー先生は、あの生徒について何かご存知ですか。何回か会っているようにお見受けしましたが」
「……詳しく話すことは、あの子から禁じられているの。そんなに気になるんだったら、直に聞いてみればいいわ」



ようは、アドラー先生は彼女の秘密を知っている。
だがそれは、彼女から口止めされている―か。



「……明日にでも聞いてみます」
「ちゃんと答えてくれるかは、あの子次第ね。貴方が大好きな”捜査”としてやれば、少しは楽になるんじゃない?」
「はい。そのつもりで挑んでいますよ」



でないと、僕はまともに彼女と話ができないだろう。





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