おそ松さん

□長兄と末弟の憂鬱
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僕にはひとつ腑に落ちない事がある。僕達は六つ子、故に歳は同じ。なのにこのどうしようもないクズ達の事を『兄さん』と呼ばなくてはいけない事。
世の中には先に生まれた順からお兄さん、後から産まれた順がお兄さん等諸説あるがどっちみちこんな人達を『兄さん』と呼びたくない。


「トド松どしたー?顔怖いよー?」


長兄のおそ兄松さんはパチンコの景品を持って上機嫌で帰ってきた。


「これあげる。」
「チョコ?」
「ストレスには甘いものってね。」


潔いくらいの笑顔。目潰ししたくなる。


「僕は不服だよ。」
「どうしたいきなり。」
「僕達は同い年なのにみんなを兄さんって呼ばないといけないっていうことに不服なんだよ。」
「それな…俺だって長男だから悪い事すればみんなが真似するからやめろってよく言われてたわ。先に生まれたからってなんなんだよ。好きで長男に産まれたんじゃねぇっつーの。その点トド松はいいよ?みんなに愛される術を知ってるから。」
「そうかな。」
「人ってーのはニコニコしてりゃ周りが寄ってくるんだよ。末っ子は力じゃなくて人徳勝負だもんな。そう考えると一番気楽なのは真ん中っ子だよな…」
「確かに…」


言われてみれば自由人だらけだ。


「今夜は2人で呑みに行くか。」
「勿論おそ松兄さんの奢りでしょ?」
「…やっぱ止めよ。」




おわり

※松野家六つ子ハッピーバースデーでした!
2016.05.28

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