NATURALLY 【完結】

□NATURALLY III
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幸村「いいなぁ。俺も、今日の試合で疲れたんだよね。」

ニコニコ笑ってこちらを見つめている幸村くん。
イップスが効かないと分かっていても怖いのはなぜなんだろう。
というか、試合は圧勝だったし、今日癒したし、疲れてないはず…。

「よ、よければ、やりますけど…。」

幸村「えっ?!いいの?!…じゃあ、やってもらおうかな。」

確信犯ここに在り。
仕方ないなぁ。

なんて言いつつ、夢のテニス部員に、こんなに堂々と触れられるなんて、夢なんじゃないかと思っている。

柳「…俺にも、やってもらえないだろうか。」

「減るもんでもないし、いいですよ。」

正直、柳くんがやってほしいって言うなんて意外だった。
でも、触れられることは、私としても嬉しいので、快く了承。

幸村「おぉー。すごいね、さすが。」

柳「ああ。知ってから改めてされると、より効果的に感じるな。」

えへへ、にやける。
褒められたし、触れられたし!

「…でも、休養はきちんと取ってください。本当に心から疲れが取れるとは限らないので。」

本当のところ、私の能力の効果がどれほどなのか、自分でもよく分からない。
だから、しっかりと休んでもらわないと。

「…そうだ。その子猫、どうします?」

幸村の手中に収まるほど小さい子猫。
さっきの傷も、カラスか何かにやられてしまったんだろう。

真田「母猫が近くにいるかもしれん。無闇に連れ帰るのは良くない。」

ごもっとも。
だけど、この子猫がまた傷ついてしまったとき、助けてあげられるかなんて分からない。

柳「ああ、それなら心配はいらない。茂みの中に、誰かが作って置いた寝床があり、その脇に餌と水があった。おそらく、この公園内にいる猫はこの子猫だけだ。」

柳くんの言葉を聞いて安心した。
私も死んでほしくないとはいえ、母親と無理やり離すなんてことはしたくなかった。


「…私、引き取ってもいいですか?」

幸村「うん、いいよ。その子猫の傷は君が治したんだし。」






ということがあり、今ここにいる子猫は、あの日から私の家族となった。

実は、まだ名前は決まっていない。
名前くらいは3人に付けてもらおうと思ったんだけど、考えてくるといってあの場はお開き。
日を改めて、名前の候補を伝えに来るらしい。
ついでに猫の様子を見に来るらしい。

その日が今日なのだ。
母に、今日はすごくかっこいい人達が来るから、いつもより念入りに掃除をするように頼み、私は自分の部屋を片付けた。
部屋にあげるかは未定だが、万が一を考えて、綺麗にしておく。

名前、どんなのかな。
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