何も変わらないもの 【完結】

□何も変わらないもの 2
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「私、人間関係とか苦手っていうかめんどくさいって思っちゃってて、テニス部の人と関わると、良いことないなって思って、極力関わらないようにしてたの。あ、それと、耳には自信があるからすぐに気付いて隠れられたってだけ。」

柳生「…そういうことでしたか。」

よかった。分かってもらえたみたいだ。

柳生「…しかし、テニス部と関わると良いことないというのは心外ですね。良い人ばかりですし、面白い人ばかりですよ?」

だからなの。
そりゃ、ファンクラブの出来てるんだから、性格だっていいはず。
…私は自分勝手って思うけど。あ、あとナルシ。
それを置いといて、もし仮に関わったとしたら、絶対ファンクラブの人たちに何かされる。
テニス部の人たちには何も被害がないし知らないのかもしれないけど。

仁王「お前さん、ファンクラブは?」

「入ってるわけない。」

仁王「部活は?」

「…人間関係がめんどくさいから入ってない。」

仁王「朝ジャッカルとブン太に会ったかの?」

「…?誰それ。」

てかなんで質問攻め?!
てかなんで笑ってんの?!

仁王「柳生、そろそろ帰るぜよ。」

柳生「はいはい。あなたって人は…。」

なんだ、なんなんだ。
訳分からない。
訳分からないまま置いて行かれた。


――――


家に帰ってきて、ご飯を食べた。
お風呂に入りながら、今日のことが、もし誰かに知られていたら、私は明日殺されるかもしれないと、そう考えていた。

とにかく、今日は疲れた。
早く寝よう。
お風呂から出て、寝ようとベッドに入った瞬間、携帯が鳴った。
私に連絡が来るなんて、めずらしいな。

やけに長いな。
電話?

仕方ない。
もぞもぞとベッドから手を伸ばす。
何だ、知らない番号じゃん。
一応、出ておこう。

「…もしもし、誰ですか?」

仁王「だーれじゃ?」

仁王くんだ。
何で番号知ってんの。

「分かりません。」

一方的に電話を切る。
そうだ、次掛かってきたとき分かるように、メモしておこう。

!!
また掛かってきた。
一応確認する。
…仁王くんじゃない。

「…もしもし。」

柳生「すみませんが、こちら、田中こまちさんの番号で間違いないでしょうか?」

や、柳生くんまで…。

「いえ、違います。」

私はまた一方的に電話を切った。

なんなんだ。
もうこれ以上私に関わらないでよ。
柳生くんの番号もブラックリスト行きだな。

!!
なになに、また掛かってきた!
今度はどっち?!

どっちのでもない…。
出るべきだろうか。
全然関係ない人だったらあれだしなぁ。

「…はい。」

幸村「初めまして、田中さん。俺は立海テニs…。」

切った。
もうテニス部とは関わりたくないんだってば!!
てか誰最後の!!

とりあえず、今日はもう、テニス部の誰かからしか掛かってこないと思って携帯の電源を切って寝た。
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