いつも通り 【完結】
□いつも通り 3
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そういえば、前は宅配便で、お父さんがお母さんに黙って買い物してて、喧嘩になってたなぁ。
そんなこと考えて玄関のドアを開ける。
木下「えっ?!ど、どうしたの?!」
玄関に立っていたのは丸井くん。いつもならありえない。
丸井「今、外出れねぇか?」
突然すぎて訳が分からない。
とりあえずお母さんにダメもとで外に出ていいか聞いてみると、あっさりOK。...なんで?
やっぱり今日はいつも通りじゃないんだ。
まぁ、せっかくOKもらったし、早く行かなきゃ。
私は外に出て、丸井くんと近くの公園に行った。
すると、丸井くんは突然ブランコの上に立ち、漕ぎ始めた。
それに便乗して私もブランコに座り漕ぐ。
丸井「俺、さっきジャッカルに謝ったんだよぃ。そしたらあいつ、『俺も謝ろうと思ってたぜ。ブン太に先を越されるとはな、ハハ!』って。」
木下「そっか。良かったね。仲直りできて。」
本当に仲いいんだなぁ。同じ事考えてるなんて。
丸井「...サンキューな。お前が言ってくれなきゃまたあいつに謝らせるとこだったぜぃ。」
木下「うん。」
明日からは関わりが無くなっちゃうのかと考えると、私は何も言えなくなった。
丸井くんからしてみれば、私なんてただの女子にすぎないんだろうなぁ。
あ、私ってばまた暗いこと考えた。しばらく黙っちゃったし、なんか話さなきゃ。
木下「ぶ、部員のみんなも心配してただろうね。」
丸井「うーん...。真田にはサボったことめっちゃ怒られたけどな。」
真田って、確か副部長の人だよね。
老け顔の...。
木下「あの人、厳しいって有名だよね。」
苦笑いしながら言うと、『老け顔なのもな!』って丸井くんが付け足して、2人で笑い合った。
木下「でも、そういう人が近くにたくさんいるのはいいよね。楽しそうだし。」
私には花音くらいしか思い浮かばない。
人見知りでもないのに、なぜか人が寄ってこない。本当、何がいけないんだか...。
丸井「んじゃあさ、マネージャーやってみねぇ?」