私の大好きな幼馴染み 【完結】
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柳side
俺は、最近自分がおかしいということを知っている。
いや、本当は、おかしいということしか知らないんだ。
こまちに相談してみようと思っていた矢先に、木下と丸井がやって来て、『こまちちゃんがフリーズしたの。お願い出来る?』と木下に言われた。
そこまでは、まぁ想定内だったが、想定外なことが今、目の前で起こっている。
こまちが泣いているのだ。
俺は、自分のおかしい所を教えて貰おうと思い、顔をあいつと同じ目線にしていた。
こまちも成長したのだな、目が大きくなって、随分可愛らしくなった。
そう、俺は感心していたのだが...こまちは急に泣き出してしまった。
どうしたらいいのだ...?
俺はどうしたらいいのか分からず、戸惑っていたはずだった。
田中「!!ど、どうしたの?」
俺は、こまちを抱きしめていた。
柳「お前が、悪いんだ。最近、お前の考えていることが分からない。何かに、ブロックされているように、こまちの心が全く読めない。」
俺は、何を言っているんだ?
すぐにでも溢れ出そうな涙を感じたのはいつぶりだろうか。
そういえば、今までこまちの前でしか涙を流したことがない。
俺は、俺の知らないうちに、こまちに甘えていたのか。
今考えれば、この合宿のマネージャーも、俺が押し付けたようなものだしな。
田中「...蓮、二?泣いてるの?」
柳「...そんなわけないだろう。」
こまちにはお見通しか。こまちが聞いてこなければ、きっと泣いていただろう。
田中「も、大丈夫。慰めてくれて、ありがと。」
柳「ああ...。」
離したくない、と思っている俺がいる。
データは足りないが、その少ないデータで言えることは、俺は『こまちを恋愛対象として好き』だということだ。
気付いてしまった以上、やるべき事は1つしかないだろう。
だが、告白とはどうしたらいいのだ?
そもそも、いつするべきなのか...。
俺はテニスプレイヤーの体格や性格、勉強面のデータしか採っていなかったことを初めて後悔した。
田中「?蓮二?どうしたの?」
柳「...すまない。」
どう言えばいいか分からないんだ。
俺はきっと、こまちのことがずっと好きだったのだろう。気づかぬうちに好きになっていたんだ。
柳「俺は...お前を傷付けてばかりだ。幼馴染として、いや、男として最低だ。」
こんなことを言いたいわけじゃない。うまく言えない。
緊張、しているのだな...。
俺らしくもない。