立海R陣 【完結】
□立海R陣 5
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幸村「そういえば、君はさっき『遠くから見ていただけ。』って言ってたよね?それってどういうこと?違う中学校でマネージャーでもしてたの?」
なんと答えにくい質問…。
もう話してもいいかな。
どうせ言うもんな、いつかは。
「私、トリップしてきたの。トリップって意味分かる?」
幸村「トリップ…?」
私が問うと、幸村は分からなさそうに首を傾げる。
それに大まかに説明をする。
幸村「それって…」
「うん、普通ならありえないよね。私も最初は驚いた。けど、どうやってトリップしてきたか分からないし、記憶の中に皆のことはちゃんと残ってたから、支えなきゃって思ったの。」
思ったよりも重要な答えだっただろう。
幸村は未だに信じられないという顔をしている。
「言っとくけど、嘘はついてないよ。私はデータマンじゃないけど、みんなのプロフィールくらいは言える、と思う。」
幸村「…なら、俺の言ってみて。」
疑ってるな、幸村。
まぁ、そりゃそうだよね。
はっきり覚えてるか分かんないけど、とりあえず分かる分だけ…。
「幸村精市。オールラウンダー。誕生日は3月5日。魚座。趣味はガーデニング。好きな料理は焼き魚。イップスできる。あとはー、うーん…あ!血液型は、多分AB型!」
幸村「驚いたな…。でも残念ながら、血液型はA型だよ。それに、これならファンクラブの子たちは言えると思うよ?」
うっわまじか。
血液型間違えたのも軽くショックだけど、ファンクラブの子たちって幸村のことそんな知ってんの…?
ストーカー並じゃん、と思ったけど、それを言ったら私もストーカーみたいになるので、心の中で引くだけにしておいた。
「えぇー…。あ!座右の銘は『冬の寒きを経ざれば、春の暖かきを知らず』で、嫌いな教科は化学!3年C組の美化委員!それから、ルノワールの画集!」
思いつくままに声に出す。
すると幸村は先ほどまではいかないが、ふふ、っと笑った。
幸村「すごいね。最後は単語になってるけど…。もしかして、他のみんなのも言えたりするのかい?」
「言えるけど…めんどくさいし、全部は無理だよ?」
幸村「ふふ、何なら単語でもいいよ?」
大変だ。
何としてでも言わせようとするのか。
「んー…。じゃあクイズ形式にして!この座右の銘は誰のでしょう?とか。」
幸村「え、嫌だよ。俺覚えてないし。」