何も変わらないもの 【完結】
□何も変わらないもの 2
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何も変わらないもの 2
ああ、もう終わった…。
完全にバレた。
朝ぶつかった人はテニス部だけど、この人たちよりは人気ない人だった(確か赤髪は人気だと思う)から平気だったんだろう。
だけど、今この場にいる彼らは人気の高い人だから(2人とも)、今回は本当にやばい。
…。
……。
??
あれっ??
何も起きない。
ってことは、気にしないでどっか行ったってことかな?
声も聞こえないし、大丈夫かな…?
恐る恐るカーテンから顔を出す。
誰もいない…。
助かった!!
でも、完全に気付いてたよね?
私は違和感を感じつつ外に出る。
この後すぐ後悔したのは言うまでもない。
銀髪の人に後ろから首を腕で絞められ、眼鏡で真面目そうな人に、『もう逃がしませんよ!!」と指を指されながら叫ばれた。
そして、眼鏡で真面目そうな人は私を見てとても驚いていた。
私の方がびっくりなんですけど…。
てか、く、苦しい…。
「ちょ、っと!はな、し、てっ!!」
仁王「ぐっ!?」
私は渾身の力を込めて肘を後ろの銀髪の人の横腹に突っ込んだ。
「はぁ、はぁ、あ、んた、たち、バカじゃな、いの?!」
苦しくて息が切れていたまま、とぎれとぎれにしゃべる。
「こ、殺す気?!」
仁王「そ、それは、こっちのセリフじゃき…。」
な、なんという自分勝手。
普通あんなことされたら反撃するっしょ。
――――
彼らは、他校のテニス部員が後をつけてきて、仁王くんのイリュージョン?の道具の調達ルートを暴こうとした、と思ったらしい。
なんだそりゃ。
本当に苦しかったし、ありえないって思った。
まだ、一言も謝られてないし。
まぁいい。
とりあえず、今日のことは忘れて、もう帰ろう。
「それじゃ、私はもう帰ります。仁王くん、殴ってごめんね。」
仁王「お、おう。」
本当は謝りたくなんてない。
だけど、相手はただの小学生と変わらない。
柳生「そういえば、あなたは、なぜカーテンの中なんかに隠れていたのですか?」
え。
それ聞く?
…でももし言ったら、もう関わって来ないかも。