何も変わらないもの 【完結】

□何も変わらないもの 1
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何も変わらないもの 1


いつも私だけ…。

そう思ってしまうのが私の悪い癖。
まぁ、思うだけで終わるところは、私の良いところじゃない?

クラスのうるさい男子たちは、自分が怒られると
『○○だってやってたし!俺だけに言うんじゃねーよクーズ!』
みたいなことを言うのがほとんど。

正直、それはまだみんなが小学生だからだと思ってたんだけど、違ったみたい。



私には友達というものがいない。
いじめられてるわけじゃないけど、気付いたときには1人だった。
だけど別に話しかけられないわけでもない。
挨拶だって会話だって普通にする。
ただ特定の友達がいないだけ。


――――


丸井「おっはよーーーぃ!!!」

ジャッカル「いっっってーな!!うわわっ!!」

び!!っくりしたーーー!!
大きな声で挨拶するのはもう慣れた。
そのまま激突するのももう慣れた。
だけどこっちに倒れてくるとは思わないじゃん。
もう嫌、嫌だ。
なんでいちいち大声で挨拶するの。
なんでわざわざ激突するの。
なんでこっちに倒れてくるの。

私は、転びたくない一心で、知らない誰かの背中を支えてしまった。

ジャッカル「うお、すまん!!ありがとな。」

「いえい…え。お気になさらず!!」

私は自分でも信じられないほど早く歩いていた。
一刻も早く、あの場から逃げ出さなくては...。

丸井「なんだあいつ…。」
(変わってんなー。)

ジャッカル「さぁな…。」
(悪いことしちまったかも…。)

私は彼の顔を見て確信した。
彼らが『テニス部』だと。

彼らには関わりたくない。
というか、関わってはいけない。
うちの学校のテニス部には、ファンクラブというものがあって、ちょっとでもテニス部と関わると呼び出されるらしい。

意味が分からない。

そういうファンクラブの子達こそ関わってんじゃん。
バリバリ関わってんじゃん。
関わりたいならファンクラブに入れってこと?
でもファンクラブって抜け駆け禁止なんでしょ?

意味が分からない。

まぁ、もう関わることはないから大丈夫だよね。

それより、さっきのはセーフかな?
いじめられたらどうしよう。
1人でいるのはいいけどいじめられるのはさすがに嫌だもんなぁ。


――――


周りに学生がいない帰り道。
まぁ、立海は文武両道だから部活に入らなければいけないし、当然のことだけど。

私は、部活の人間関係とかめんどくさいし、入る時期を逃してしまったから適当な言い訳を並べて先生に許してもらった。

それより、今日は家に帰ったら何をしよう?
んー、久しぶりに出掛けようかな。
せっかく出掛けるんだからちょっと遠出しよう。

家に着いて、着替えるのもめんどくさかったので制服のまま出掛けることにした。

「んー、あっついなぁ…。」

雑貨屋さんとか本屋さんとか好きなんだよねー。
まずはあの雑貨屋さん入ろう。

「スーパースター…。」

こんな名前聞いたことないや。
メジャーなお店じゃないみたいだな。

中は面白そうだし、入ってみよう。
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