いつも通り 【完結】
□いつも通り 12
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いつも通り 12
木下side
丸井くんが抱きしめてくれた。
笑いかけてくれた。
もう、私は自分の気持ちを隠して丸井くんの近くにいるのは嫌だ。
告ってしまおう。
もちろんこれから丸井くんと話せなくなったり、目を合わせてくれなくなるのはとても嫌だ。
だけど、それ以上に気持ちを伝えたいし、今以上の関係でいたいと思うようになっちゃった。
本当は話せてるだけでも幸せなことなのになぁ。
...私って貪欲だ。
木下「ねぇ、丸井くん。私ね、丸井くんのこと...。」
何躊躇ってるの、私。
もうここまで言って後戻りできない。
私が再び口を開いたその時、丸井くんが言葉を発した。
丸井「お前が何を言おうとしてるか、なんとなく分かる。...何も言うな。」
いきなりの言葉、真剣な目。
決心していた私にとってとても辛かった。
振られるとか、それ以前の問題だったんだと考えると、涙が溢れた。
もう、丸井くんの顔見れないよ...。
私は顔を手で覆い隠す。
すると、周りから声が聞こえた。
笑い声。
そっか、ここにはファンクラブの人たちもいたんだよね。
私、すごく恥ずかしいし、悔しいな。