私の大好きな幼馴染み 【完結】

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私の大好きな幼馴染み 9


田中side

朝からすごく心臓に悪い。
泣いちゃった私を、蓮二は優しく抱きしめてくれた。

あったかい。安心する。
でも、すっごいドキドキしてる。
だから離れたい。
だけど離れたくない。

蓮二は自分のこと『分からない』って言ってたけど、私も、自分のこと『分からない』よ。
それに、最近の蓮二も『分からない』。
この『分からない』は、同じもの?

柳「俺は...お前を傷付けてばかりだ。幼馴染みとして、いや、男として最低だ。」

田中「そんなことないよ!!」

自分のことを否定した蓮二に過剰なほど反応してしまった。
それと同時に、蓮二から離れた。

蓮二が最低?

田中「蓮二はいつも、私に優しくしてくれるし、そりゃちょっとは強引だったりする所もあるけど、それだって1度は私がいいよって言った事じゃん。蓮二は...蓮二は私にとって大切な人で完璧な人なの!!自分で悪く言わないで!!」

うわー、何言ってんの私。
自分で言っといて照れるなんて、すっごくかっこ悪い。

柳「すまない...。」

田中「それに、私は...」

今なら言える。
そんな気がした。
その時、突然頭に浮かんだのは私が告白して振られた後、気まずくなった私達の情景...。

田中「...ごめん。やっぱり、何でもない。」

私は、告白するのをやめた。
今のこの関係が崩れてしまうのが怖かったから。

柳「俺をそんなふうに言ってくれるのはきっとお前だけだろう。こまち、ありがとう。」

田中「ううん。本当に、そう思ってるから。」

私はずるい。
いつも回りくどい言い方をして、気付いてくれるのを待ってる。
いつまでもこんなこと、続けるのは嫌。
だけど、怖い。
...でも、告白しなかったら、いつまで経っても前に、進めない...!!

私は、告白する!!

柳「俺は...」

田中「!?」

タイミングを逃してしまった。

柳「俺は、お前が好きだ...。おそらく、ずっと前から。気付いたのはついさっきだが。」

田中「え...?」

どういうこと?
本気で言ってるの?
こんな私を、蓮二は好きだって言ってるの?

柳「ああ、本気だ。」

『分からない』って言ったくせに、心読んでんじゃんか。
でも、やっと、いつもの蓮二だ。
私も、蓮二のこと『分からない』って言ったけど、今のが本気なら分かる。
あの『分からない』が同じものだったってことも分かったよ。

田中「私も、蓮二が大好きだよ!」


END
 

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