私の大好きな幼馴染み 【完結】

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私の大好きな幼馴染み 8


こまちside

練習は終わり、1日目はそんな大きいことも起こらず、夜が明けた。

姫ちゃんは『なにか起きないかしら?つまらないわ。』とか言ってた。
さすが姫ちゃん。

私は今布団の中。
ぼんやりとしている。
このまま出たくないなぁ、なんて思いながら。

木下「こまち、いつまで布団にいるつもりなの?」

うわー!バレた!
しかも幸村くんみたいなスマイル...。
怖い!!

田中「わ、わかった!!起きる!!!」

木下「この合宿で、柳君に告白すれば?」

姫ちゃんがいきなりすごく変なことを言ってきたので、せっかく動こうとしていた体が固まってしまった。
すると姫ちゃんは、いつ呼んだのかは分からないけど、丸井くんに何かを言って、一緒に出ていってしまった。

...告白、かぁ。
蓮二は私のこと、どう思ってるんだろう。もし告白したら、蓮二はどう思うんだろう?蓮二は...

柳「俺が、どうした?」

田中「だから、蓮二は私のこt...うわぁ!?」

ななな、何で蓮二がいるの?!
てか、心読まれた?!
私が蓮二のこと好きだってバレた?!

固まった体は、驚きと焦りとドキドキで解けた。

柳「お前が放心状態だと聞いて来たんだが、平気なようだな。」

田中「う、うん。心配してくれて、ありがと。」

今の私は挙動不審。
私の想いがバレたのか怖くて、目を合わせるとこさえできない。

柳「最近、お前が分からない。」

田中「えっ?!」

どういう事だろう?『分からない』って、バレてないってことかな?

柳「それに、俺自身のことも分からなくなってきているんだ。こまち、俺はどこかおかしいか?」

そう言って蓮二は私の目線までしゃがみ、じっと私の目を見つめている(と思う)。

田中「お、おかしいところなんてないよ?」

恥ずかしくて顔を背けた。
最後に蓮二の顔を真正面からじっと見たのは幼稚園くらいだったから。

綺麗だった。
前髪も、開いてるかわからないような目も、鼻も、口も、困ったような表情も。
すごく、かっこよく成長したなぁ。
性格も、男の子っぽくて頼もしいし。

蓮二の姿を思い出すと自分でも顔が赤くなっていくのが分かる。
考えないようにすると、もっと。

それと同時に、こんなに顔が整っていて、勉強もできるし、男女に人気のある蓮二を、私が、欠点だらけの私なんかが好きでいていいのか、釣り合うわけがない私が、蓮二のことを好きでいていいのか。
と、自分でも考えられないくらい、私は自分を追い込んでた。

そして、いつの間にか涙が流れていた。
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