LDHstory

□WORST&Re:フォロワーキャスト組・ホラー
1ページ/1ページ


吉野side


なんでこんなとこにいるのか。
なんでこんなことになってるのか。

全てが謎。
よく分からない廃墟となった学校みたいな所に閉じ込められてることに気づいてから、腕時計を見ると1時間経ってるらしい。
外の空は赤く染まっていてきっと空を見ても何のヒントもつかない。それどころか変な所に飛ばされたって現実しか突き付けられない。

和田「とりあえずどうもこんにちは、初めまして……。和田雅成と申します」

西銘「あ、西銘です〜!西銘駿です!初めまして!!」

ついさっき遭遇した流司くんと瑛久くんと一緒にいたのはこのお2人。

佐藤「西銘です〜!じゃねぇよ。雅成くんも何呑気に自己紹介してるんすか」

塩野「無駄に礼儀正しいし」

佐藤「無駄に礼儀正しいいいね(笑)」

塩野「だろ」

動揺しまくりの俺達に比べて、向こうはかなりヘラヘラしてる。楽しそう。
強心臓の集まりなんだな……。
うちはHiGH&LOWのイベントのスタンバイ中だったんだけどなぁ。
俺の他には壱馬、まこっちゃん、樹、楓珠、健、勇征、慧人、なっちゃんの4人。

和田「やべ、この中におると俺おっさんやなぁ……」

佐藤「そうやなぁ」

和田「なんで関西弁やねん」

佐藤「とにかくここどこよ」

塩野「分かんね」

佐藤「はい終了ー」

西銘「終わっちゃダメでしょ!」

和田「終始無視やめろ??」

コントのようなテンポで会話が進んでいく。
かと思ったら真剣な顔付きになった。

佐藤「いやでもマジでこっからどう出るよ」

塩野「お前も含め、子供達ばっかだから早く出ないとな」

西銘「俺も子供換算〜?!」

佐藤「しかも精神的には1番下な」

塩野「なんなら実年齢もこいつら含めても下から3番目な」

こいつら、の部分で壱馬の肩にポンと手を置く瑛久くん。
もしかしたら、流司くんも瑛久くんも和田さんわざと巫山戯てるのかもしれない。俺達があまりに不安そうな顔で突っ立ってるから。……西銘さんはなんか天然っぽいしナチュラルなんだろうけど。

和田「俺から見たら全員子供やけどな」

塩野「そりゃ否めない」

佐藤「頼りにしてますおじさん」

和田「おじさん言うな。……で、どうする?」

塩野「どうするって言ってもここがどこだか、なんで来たかとか全て分からないとどうしようもないよね」

佐藤「そうなんだよなぁ〜……雅成くん、塩野くんちょっと」

和田「ん?」

塩野「あいよ」

流司くんが声をかけて3人で何かを話してる。その余裕の姿にそんなに大きくないはずの年の差を感じる。

和田「ほんじゃとりあえず荒牧……おらんわ」

佐藤「嘘でしょ。いくらなんでもニコイチすぎるわ」

和田「しゃーないやんもう10年以上ほぼ毎日会ってんねんから」

佐藤「結婚式は是非呼んでくださいね」

和田「友人代表のスピーチは流司に頼むわな」

……え、冗談?
どっちどっち???

佐藤「……ほら、ジョークが過激すぎるみたいっすよ雅成くん、皆引いてます」

和田「いやさっきから発端流司やしな?」

佐藤「いい加減にしてください真面目にしましょうよ」

和田「おい佐藤」

頭をわしゃわしゃされる流司くんは、俺達に見せる漢気ある兄貴な顔じゃなく無邪気な弟の顔。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ