特撮story

□変わらぬ絆
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現場に向かうとそこに居たのはまだ見た事のなかったデーボス。
戦いを終え2年も経った今、何故また復活したのか。謎は山ほどだかとりあえず、彼らはヒーローだ。
人々を守るのが何よりの最優先。
其処彼処に倒れている一般市民を助けようとしたが、そのほとんどが苦しげな息を吐いていた。不思議に思いノブハルは1人の男性の服で隠れていない部分を探すと右手首の内側に紫の星のアザのようなものが浮かび上がっていた。
声を張って皆に報告すると、他の人々にもあるそうで。これは多分今彼らの前に立ち塞がるデーボスの技の効果だろう。

?「キョウリュウジャーか……我が名はドクーシー。我らがボスの復活への妨げとなる者は消滅しろ……!」

ソウジ「っイアン……!!」

怪我をした小さい子供を抱き抱えていたイアンにドクーシーの攻撃が向いた。両手が塞がってしまっていたイアンは、子供を放り投げるわけにはいかず子供を守るように抱き直したが、自分の前に緑の背中が見えて目を見開いた。

イアン「ソウジ!!!」

前方に傾いたソウジの体を持ち前の身体能力で駆け寄ったダイゴが抱き留めた。

ダイゴ「ソウジ大丈夫か?!」

ソウジ「大丈夫大丈夫……イアン、子供は……?」

イアン「無事だ。アミィに任せた。」

ソウジ「良かった……っぁ゛」

ダイゴ、イアン「ソウジ!!!!」

ダイゴに支えられてやっと立つことが出来ていたソウジだったが服の胸元を掴んで崩れ落ちるように座り込んだ。

ドクーシー「毒でエネルギーを吸い取りボスの復活を促す。キョウリュウジャー……貴様らのエネルギーは一般市民より遥かに巨大だ。」

イアン「ふざけるな……許さねぇ!!!!」

立ち上がったイアンの目には今までに見た事ないほどの怒りの色を含んでいて、他のメンバーですら驚いた表情を浮かべた。

ドクーシー「今のところはここまでだ。キョウリュウブラック。悔しければこの俺を……あの方を倒してみせろ。」

そう言うとドクーシーは姿を消した。
怒りが治まらない様子のイアンは舌打ちをして地面を蹴った。

イアン「くっそ……」

アミィ「イアン!それよりソウジくんを!!」

アミィの声に少し冷静さを取り戻したイアンはソウジを抱き上げてスピリットベースに飛んだ。



イアンside


oh,my……。
俺はまた大切な奴を自分のせいで……。

ダイゴ「……珍しかったな、イアン。あんなキレるとこ見たこと無かったぜ。」

俺と共にスピリットベースに来たキングは苦しそうな胸を上下させるソウジをアミィの椅子に寝かせながらそう言った。
俺でも驚いた。
あそこまでキレたのはもしかしたら初めてかもしれない。
士郎の時よりももしかしたら……。

ダイゴ「イアン。お前さ、そろそろソウジを守ってやれよ。いつまでもこのままじゃ、ソウジが可哀想だ。」

キングの言葉に驚きしかなかった。
まさか、俺の気持ちがバレていたとは……。

「……俺は25歳。でもこいつはまだ18歳の高校生だ。そんな簡単に手が出せるかよ。」

ダイゴ「俺だったら、アミィが18歳の高校生でも迷わず俺のモノにするけどな。」

「お前達は傍から見たら至ってノーマルな関係だからそれでも問題ないだろ。歳だって2つしか変わらない。
……けど、俺とboyは違う。boyにお似合いのLadyが現れるかもしれない。それに7歳の差があるんだぞ。」

ダイゴ「じゃあソウジを心の底から愛してくれる、支えてくれる女の子が出てきたら、お前はじっと手を引けるのか?」

oh,my……。
その質問は俺には酷だ、キング。そんなことできるわけがない……。
そんなことになったら嫉妬に狂ってあいつを……

ダイゴ「泣かせたら許さないぞイアン。俺だけじゃなくて、他の皆だって。ソウジは俺達の可愛い末っ子だ。もし泣かせるようなことがあったら、一生許さない。それは未来だけの話じゃなくて今も、だ。」

真剣な目で真っ直ぐ見据えてくるキング。
ったく……やっぱりこいつには敵わない。

ソウジ「はぁっ、…ぁ゛っ、…ぃ、あんっ……、いあ、ん…」

「ソウジ……?」

呻く緑の少年が名前を呼んだ。
相変わらず目は固く閉じられていて調子もすこぶる最悪そうだ。目が覚めた訳では無いだろうことに気付き、boyが暗闇の中で自分に助けを求めてると察し、すぐにboyの両手を握った。

「大丈夫……頑張れ、boy。……目が覚めたら伝えたいことがある。だから早く。」

隣でboyの汗をタオルで拭くキングが満足そうにニカッと笑ったのは直接見なくても雰囲気で充分伝わった。
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