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□【13 オーディション】
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【13 オーディション】

放課後。
校門の前で歌羽と待ち合わせをしていた。

ちょっと遅れて歌羽がやってくる。

「悠莉ちゃんごめんなさい。少しHRが長引いてしまって。」

ペコペコと謝る歌羽。
なんかかわいい。

「いいよ、そんなに待ってないし。それより初日どーだった?友達できた?」

私は今年もえみちゃんと同じクラスになれて嬉しかったので聞いてみる。

「はい。隣の席の子がいい人ですぐに友達になれました!」

礼儀正しいし笑顔がかわいい、人と話すもの苦手じゃなさそうな歌羽だからすぐに友達ができたんだなと思う。

「それじゃ、カラオケ行こうか!とももね、一応ボーカルやってるから勝負だね(笑)」

「そーなんですね!ちなみに悠莉って名前なのになんでとも、なんですか?」

そこからかなの話をしてバンドを組んでる話をしていろいろ話しながらカラオケに行った。
歌羽の中学の話とか、唄ちゃんの話とかたくさんして楽しかった。




「いや、想像以上にに歌うの上手いね!もうこれは満点合格!」

カラオケで歌った歌羽はすごくかっこよかったし、女性の曲も綺麗に歌えるしかなりの技術を持っていると思った。

それに歌ってる時の歌羽はとても楽しそうで、その曲その曲に合った歌い方もできるし気持ちもこもっていて私的には満点な結果だった。

「そう言ってもらえて嬉しいです。それに安心しました。」

緊張がほぐれたという顔で言う。

「それに悠莉ちゃんもかわいい歌い方で、すごく素敵でした。かっこいい系の歌もかっこいい感じに歌っててよかったです!」

2人して褒めあっておかしくなってしまう。

歌羽の印象は素直ないい子。
かわいい後輩が出来たことが素直に嬉しかった。




帰り道、バスお降りてから駅に向かう間にたまたまかなに遭遇した。

「とも?誰こいつ?」

かわいい後輩にこいつとは失礼な奴だな。
かならしいけどさ。

「私のバンドの新しいメンバー。1年生の時田歌羽くん!」

そこから3人で音楽の話をしたり、昔のかなのバカな話をしたりしてかなも歌羽を気に入ったみたいだった。

「歌羽、最高だわ!高校違うけど俺とも仲良くしてな!」

「もちろんです!篠原さんも歌、歌うんですか?」

「ともと組んでるバンドではギタボしてる!」

「かなもそこそこ歌上手いんだよ?」

そこそこってなんだよ。
と付け足す、とも。

「じゃあ今度は3人でカラオケ行きましょうね!」

嬉しそうに言う歌羽。
笑顔が本当にかわいい。

かなとも仲良くなってくれて私も嬉しくなる。

「いいね、今度は家にも遊びこいよ!おれらのバンド紹介すっから!」

「楽しみにしてます!」

すっかり意気投合した2人に自然と笑顔になる。

歌羽の住んでるところも私たちの駅から2駅しか離れていなかったので今度はみんなであそぶことにした。

新しいメンバーを明日にでも他のメンバーに紹介しなきゃな。

「歌羽、明日ウチのバンドにあいさつに行こうね。」

「そうですね。ちょっと緊張します。」

出会いの季節、最高です。


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